2018/10/03

初めてお話する方に、地味によく聞かれる質問。
タンザニアでパソコンの先生ってさ、
いったい何教えてるの??
今回の記事では
こちらの質問について、タンザニアのICT教育の現状も少し織り交ぜて答えていきたいと思います。
ずばり、基礎の基礎から教えます!!!
っと言われてもピンとこないかもしれません。笑
基礎の基礎っていうと…
マウス操作?タイピング??となるかと思いますが…
もちろんそれも教えますが。。
それ以前に
電源入れてスタートする
シャットダウンする
最初の授業はここからスタートです。
どこで教えているのか
このように書くと、小学校で子供向けに教えてるのか?と思われがちですが、
勤務先は専門学校です。
(ただし、パソコン専門の学科ではありません)
セカンダリースクール(日本でいう中学校)卒業後の生徒がいます。
中には結婚、子供を産んだあと学校に戻ってきたよ、なんて人も。
10代後半~20代ぐらいの生徒が多いです。
生徒のレベル
教える生徒のレベルは様々です。
パソコンなんていちども触ったことない!
っていう人から
自分のパソコン持ってるよ~、なんとなく操作できるよって人まで。
タンザニアではパソコンは高価なものなので…
実家がそこそこ裕福で
自分のパソコンがあるor家庭にパソコンがあるという人は、
それなりに基本操作ができるのですが
そうでない人のほうが圧倒的に多い!
ちなみに、セカンダリースクールなどでも情報の授業はあるらしいのですが
学校にパソコンがない、
もしくはあったとしても台数が足りなさすぎる
などの理由で、
情報の授業はパソコンの実習をすることなく、オール座学で進められることが多いそうです。
電気が安定してないって問題もある..
なので、
専門学校に進んで初めて、パソコンというものに触れる
という生徒が大多数です。
なので、電源入れるところからスタートです。
教える内容
さきほども書いた通り、まずは電源入れるところから始めます。
カリキュラムがあるので、基本はそれに従って授業内容を作成しています。
電源ON/OFF
「さあ!電源入れてパソコンの授業始めよう!」
って言っても、
どこ押したら電源入るのかわからない。
電源ボタン探しからはじまります。
←このマークを探してもらうところから。
よくありがちなのが、モニターの電源だけつけてしまってるパターン。。
シャットダウンも、最初は説明しながら一緒にやっていきます。
そうでないと、電源ボタンを押して強制終了してしまうから。
まあそりゃ、何も知らず
「電源落として」って言われたら電源ボタン押してしまいますよね…
大半の家電がそうだし。
もしくは、モニターの電源だけ落としてしまい、終了したつもりになっている。。
パソコンを使い終わったら、必ずシャットダウンしてね!!!
ということを、しつこくしつこーく言い続けます。笑
マウス操作
電源が入れられるようになったら、マウスを触ってみます。
パソコン触ったことがないから、もちろんマウス触るのも初めて。
持ち方も実際に説明しないと、おかしなところに指置いてしまいます。
持ち方がわかったら
クリック、ダブルクリック、右クリック、ドラッグ
を一通り練習。
生徒を見ていると、ダブルクリックが難しそうです。
ダブルクリックしてる間に、カーソルが動いてしまう…
ちょっと力んでしまってるのかな~
マウスの持ち方を視覚に訴える作戦!笑
ポスター作ってパソコンルームに貼りました。
タイピング
マウスがわかったら、次はキーボード!
Enterキーとは、Backspaceキーとは、、などなど
キーボードの各種キーの説明もひとつづつします。
タイピングも、最初から両手で打つってのはできないので
キーを一生懸命探しながらオール人差し指でタイピングしている生徒がほとんど。
これではさすがにまずいので
ホームポジションについて教え、
全部の指を使って打つ打ち方を教えていきます。
キーの位置を覚えるのが大事だよ!練習あるのみ、と伝えます
でも、授業時間数が足りなさ過ぎて、
素早いタイピング…にはたどり着けないのが目下の悩み。
あと、パソコンの台数が足りない問題。
ペーパーキーボードを作ってその場をしのいでいます。。
こんなシートを作り、紙に印刷して練習用に使ってもらいました。
オフィスソフトを触ってみる
基本操作を学んだら、いよいよオフィスソフトを触ってみます。
カリキュラム上では
- Word
- Excel
- PowerPoint
を扱っていますが、メインでやるのはWord,Excel。
PowerPointは時間があれば、って感じです。
まずはWordなどのソフトを開くところから。
文字の色や大きさを変える
リストを作ってみる
表を作ってみる …などなど
簡単な書類が作れるようになるために、必要なとこだけ。
Excelは、、Wordとは違うよってところから。
表計算ソフトってどんなときに使うの?ってことをわかってもらってから
セルとか行、列など各名称を説明、理解してもらい、、
あとは四則計算、簡単な関数(Avelage,Max,Minくらい)を教えています。
難しいなあと思うこと
実際に自分が教えていくなかで難しいなあと感じたことを挙げていきます
そもそも私、基本操作ってどうやって覚えたんだっけ?
いまでは当たり前にマウスもキーボードも使えてしまいますが。
こんな私にも「初めて」のときがあったはず。
なのにその時のことが思い出せない…
一体どこで覚えたんだ私。笑
…小学校とか中学校での授業かな?
家でパソコンゲームとかチャットにはまりながら覚えたかな?
いざ、基本操作を教えるってときに
自分は当たり前にできてしまうことって
なかなかうまく伝えられず困る…
時間足りなさすぎ問題
これ、思ってる以上に難易度高いです…
というか、基本操作に慣れ切る前に
オフィスソフトの操作に入らざるを得ないので、効率が悪くなってしまう。
例えばWordでフォントを変えたりする練習するとき、
タイピングが遅いので文字入力だけでものすごく時間がかかる、とか
3か月弱の授業期間、週2コマ。
パソコンの台数も足りず1台につき2~3人がデフォルト。
授業時間内だけで、上記の目標達成は正直難易度高すぎる。。
反復練習が必要やけど、それがなかなかできないというのが難しいところ。
他の科目の勉強もあるしね…
パソコンが英語設定
ここタンザニアはスワヒリ語の国。
しかし、スワヒリ語のパソコンなんてないので、
英語設定のパソコンを使っています。
生徒の中には、英語が得意な人もいれば、そうではない人もいます。
英語があまり得意でない人にとって、
初めて使うパソコンを英語で学ぶ、ってかなりしんどいんじゃないかなと…
私は日本人で、母国語設定のパソコンで学ぶことができた。
これがもし、英語だったら…??と思うと
パソコンに苦手意識を持ってしまうのも仕方ないなと思ったり。。
母国語で使えないって、ほんとうに大変だと思う、、
ちなみに
「授業は英語、スワヒリ語どちらでやってるの?」
という質問も結構多いのですが…
表向きは英語でやっています。が、実際はかなりスワヒリ語使っています。
そうじゃないと理解してもらえないので…
スライドなどの資料は英語、口頭での説明はスワヒリ語、、って状況が多いです。
やたらノート取りたがる問題
タンザニアでの学習スタイルが
- 座学
- とにかくひたすら板書をうつす
- そしてひたすら記憶
- 筆記テストで点を取る
こんな感じなので…
パソコンの実習の授業をしていても、このスタイルが色濃くでます。
操作方法も、
自分で体感して覚えるより
スライドに書いてある操作方法をひたすらうつしたがります
「使いながら覚えよう!」
って何度言ったかわかりませんが、、
それでもやっぱり、ノートに書きたがります。
この、ノートに書くのに結構時間がとられてしまい
実習の時間が圧迫されることも少なくなかったです。
そういえば、こんなこともありました

この問題、
教科書がないから起きるのかなーと思ったり。
授業スライドを後で配布するようにしたら、改善できるかも
なんて思っています。
その他、パソコンの台数が足りなさすぎるとか
突然停電して授業がストップするとか
すぐパソコン壊れるとか
いろいろ問題はあります。笑
さいごに
パソコンの基本操作、、
当たり前にできてることを、わかりやすく教えていくって難しいなあ
ということを痛感する毎日です。
あとは学習環境の違い。
当たり前が当たり前じゃないんだなあ、って思うことばかりです。
ひとりでも多くの生徒が
社会にでたときにパソコン操作で役立てるよう
パソコンへの苦手意識を少しでも取り払えるよう
頑張っていきたいとおもいます。
その他、タンザニアでのICT教育について
質問あれば随時追記していきますので遠慮なくどうぞ~!笑